映画「進撃の巨人(前編)」感想文
ポップコーンもりもり食べながら実写版進撃の巨人を見てまいりました。
結論からさきに…
「レビューとかで言われてるほどひどくないし楽しめる!」
「原作とは違うように作ってるようなので、言えることはただ一つ! 原作を忘れよ!」
そんな感じです。
前半にネタバレ少なめについったでたらたらっと喋ってた感想文を。
後半にネタバレがんがん入れながら個人的見解とか感想とかをたらたらっと。
★
以下、感想文① ネタバレほぼなし
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ぶっちゃけ酷評すぎて期待してませんでした。
謝罪案件です。
あまりの酷評に映画製作に携わった皆様が憤慨するのも納得。
まぁ、原作が原作なので、原作が大好きな方だったり、他にもまぁちょいちょい「私は好きじゃあないな」みたいなポイントは結構あるかと思いますが、ひとまず置いておいて。
でもそんなに、言うほど悪くはなかったですよ!ほんとに!むしろもっかい見てもいい…です。
「感想まってるね!」と数名の方が楽しみにしてるようなのでここで言わせてもらいますね!
一言、「まっさらな心で見ておいで!」
どういうことか?
一つ、諫山氏と監督双方の意向もそれなりにあり、原作とかかけ離れています。原作は忘れよう。これはNew進撃の巨人。というか、現代日本版進撃の巨人。もっといえば、進撃の巨人IN俺たちくらいのやばさはあるかと思います。うーんこのディストピア、たまらん。
二つ、原作は原作、アニメはアニメ、実写は実写。アニメが化け物級に出来が良すぎただけなので高すぎるハードルを設置しがちかと思われるので、純粋に映画を楽しむつもりで行くととってもハッピー。
三つ、事前情報はシャットアウトしよう! どんな作品にも言えますが、この作品もやっぱり先がわかっちゃうとつまらない部分がちょいちょいあります。まぁおおまかなおおまかなストーリーは同じなのですが、それ以外の部分。とくに「よかった!」と私が思っているところなんかは知らないほうが楽しめること間違いなしなので、事前情報はなるべくシャットアウトしたほうがいいと思います。
まぁだいたいこんな感じの意味合いを込めて「まっさらな心で楽しもう」です。結構楽しめると思うんだけどな~!
★
巨人、良すぎます。
どのシーンの巨人も絶望的に怖い。そして逃げ惑う人々のあのパニック感、たまらん。
つまみぐいみたいにひょいひょい食べてる巨人もいいし。
基本的に巨人が楽しそうなところが本当に最高に怖いです。
「あ、こいつはほんとの化物だ」「話が通じない」「殺される」「死にたくない」「たすけて」「たすけて」「ごめんなさい」。
殺すために殺すような巨人に「ごめんなさい」「たすけて」と懇願しながら無慈悲に食いちぎられてく人々がとてもいいですね。
狭い道を逃げていくときに、人が多すぎて道が詰まる。
そこに上から現れた巨人がひょぉーい、と隣を逃げていた女の人を連れて行く。
「ああ次は私か」
とパニックになる人々。案の定、停滞して逃げ切れない人々が次から次へと食われていく。
それでもどうにか路地から抜けようとしたところで…
頭上からぼたぼたぼたぼた、と人だったものが降ってくる。
このシーン!このシーンが本当に、ほんっとうに!好き!!!!!!!!!
ここの死体は見せない構図なんです。というか基本的に血しぶきは多いし、肉は飛び散ってるけど、死ぬ瞬間を丁寧には描いていない。
けどその瞬間をみた人々が絶望の表情で「あ、」と見上げている。それまでの惨状を私たちは目の当たりにしている。
だから今、ぼたぼたと落ちていった赤いものが肉片で、血で、内臓であることはよくわかる。
なんと素晴らしいシーンでしょうね。前門の巨人、後門の巨人。逃げられません。
あとエレンたちが逃げ込もうとしてたところとか。あれたぶん教会ですか?
人々が逃げ込んで。そしてもう限界だ、と扉を閉めて。ミカサが外に取り残されて。エレンは中へと放り込まれて。
エレンが外に出ようとしても、人々がそうさせない。
そして巨人がやってくる。エレンはただそれをみていた。
その後、エレンが外に出る。再び扉は固く閉ざされました。その次のシーン。これも素晴らしかったね。
あんなに「外に出るな!!」「ここにいれば安全だ!!」と言ってた人たちの天井が、巨人にがぱっと開けられてしまう。
「あーあ、ほら言わんこっちゃない」って感じなんですけどね。もういいシーンでしたわ。
そしてこれもやっぱり見せない構図。
エレンが外から教会を見ている。天板を剥ぎ取られ、神もくそも救っちゃくれない。中の人たちは、さあどう思ったことでしょうね。「あ」と思ったときには天井がないんですよ。そしたら、たぶん、あの巨人たちがにっこりと笑ってるんでしょうね。
巨人からしたら食べ放題フルコース、みたいな。あ、箱の中の人々はむしろおせちみたいな感じかな?
「あ」「にげなきゃ」「しぬ」
そう思ったときにはもう遅い。天井から手が伸びてくるんでしょうね。スプーンでパフェでもかき混ぜる感じでシェイクするかもしれません。踊り食いだやった踊り食いだ、みたいな気持ちでしらすをだばーっと飲み込む感じでたべるかもしれません。案外食べ方が汚いので、両手でがつがつとほぼ犬食いみたいな感じにするかもしれません。
どのみちおせち料理さながらにみっちりと詰められてる人々は逃げられませんよね。だって扉、自分たちでしめちゃったもんね。
まぁ外からは見えませんから実際はわかりませんけど。
「助けてくれぇええええ!!!」って。中から悲鳴がたくさんたくさん聞こえてきます。巨人しか見えていないけど、巨人がどういうものか、私たちはよく知ってますからね。「食われてるんだろうな」「殺されてるんだろうな」ということはわかります。なんと恐ろしいことか。
外から呆然とみてるエレンくん。人々がさっきまであんなに睨みつけていたエレンくん。固く閉じた扉からひとり飛び出したエレンくん。飛び出したから、逃げられるエレンくん。
「たすけてくれ」と。窓枠から無数の手が伸ばされる。そのどれもが赤黒くそまっていて。逃げ込んだ場所は、自分で閉じた扉を開けることもできない牢獄に早変わり。
そして教会の中から、とめどない血が溢れ出る。
神も救いもありゃしないですね。まさに地獄だ。
このぼたぼたっと人間がぶちまけられる瞬間といい、教会から伸ばされる腕と溢れ出る血といい。この巨人スプラッタのあらゆるシーンがたまらない。好き。大好き…。このシーンのためだけの映画を見に行っていいレベル。たまらんぞぉ。
なんといいますかね。
控え目に言っても。
ホラーシーンが最高なんです。
B級ホラー映画とよんでさしあげてもいいです。これは。それくらいホラー映画。ややダークファンタジーな。でもあえてB級と呼ぶ。みんなB級すきだもの。B級ホラー。つまりレジェンド。
もーー、進撃の巨人は元々アニメ前から読んでた勢なのですが!本当に!巨人が好きでね!!!!圧倒的巨人に人々が蹂躙されてくあの感じ!!ずっと好きだったんです!!それがあんなリアリティを伴ってやってくるなんて!!!!!!!!!!!!!!!!
これだけで見に行った価値があったというものですよ!!!!!!!!
巨人登場シーンのほら…壁工事団。あれもよかったね~!
もう怯えまくっちゃって、撃てなくなったところとか。ひょーいと捕まって「ごめんなさい」って言ってる兵士とか。「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!」と叫びながら八つ裂きにされて飛び散った兵士とか。
もちろんなの頭パーンもよかったですよぉ…これはホラーだった。本当に。
そっからの市街地パニックもね、最高だね~!
市街地については前述のとおり。見せない構図、にも関わらず想像の余地によってより鮮明に思い浮かぶ。うーん、たまらない。
控え目にいっても…ふふ、…その、お恥ずかしいのですが、興奮してしまいました。口がぽかーんってあいてましたね。いやぁ映画館は真っ暗だからいいわぁ。アホヅラしてても許されるもんねぇ。
あ、あと忘れちゃいけませんね。
「こどものこえがする・・・」からのあの!惨劇をー!!!!(笑)
「ちょwwwおまwwwww仮にも軍なのにwwwwwwwおまwwwwwwww」と思わないでもないのですが・・・まぁそこはしょうがないね!というか、あんな身勝手がマッハな兵士二人をよく皆さんまっててくれましたね!?しかも敵地真っ只中で!!!! ぶっちゃけ二人とも「死んだ」ってことにされて置いてかれてもおかしくないし、そもそも、規律を乱すんじゃあない!!!!
・・・とも思いますが、もう全部どうでもよくなりましたね。
赤 さ ん の せ い で !!!!!!
もーー、ほんと、「もしや」と予想しなかったわけでもなかったのですが、「いやでも巨人に赤ん坊なんていないだろうしなぁ」と思ってた私が!私が悪う御座いました!!!この固定概念が人類を殺すのだ・・・!!(笑)
とある漫画をふと思い出しました。とりあえず赤ん坊×ホラーは最強ですね。それこそ、大人の巨人よりも「何をするかわからない」って感じが。
ぞっ、としました。久々に。夏にいいわ~・・・
ところで余談なのですが、なぜ赤ん坊の巨人が出てきたんでしょうね。
子供の巨人は結構見慣れてますが、赤ん坊とはまた思い切ったなぁ・・・とおもいつつ。
原作でも、おそらく今作でも(多少訳は違えど)巨人=人間なんですよね?
エレンが巨人になったりするのと同じで、うなじに人がいたから、核がそこにあるから、うなじが弱点なんですし。巨人には中の人がいるわけですよね。
ってことは、あの赤ん坊にも中身があったんですよね?
そこでふと、「ミカサが救えなかった赤ん坊」を思い出しました。まさかねぇ。とか思いながら、まぁそんなことを考えてました。
今作の巨人の起源はどうなってるんでしょうね。
ソウダさん?が「早く取り出さなければ細胞が同化してしまう!」とか言ってましたし。いやぁなんか楽しみだな~!
予告編で科学マンな感じの白衣の人たちも出てましたし?ちょっぴり科学っぽい、現代訳進撃の巨人やっぱり楽しいな~!!
ああ、あと・・・
「ここは地獄だなぁ」と本当に思うんですよね。この映画見てると。
パンフをみていたら「神曲」と書いてありましたね。なるほど、と思いました。あの世界は地獄で。すごくすとんと腑に落ちました。たとえば演出一つ一つだとかがたしかにそうなんですよね。神曲、ちゃんと読んだことないんですけども・・・これはちょっと読んでこなきゃ!と思いました。もう~~!!
キャラのほうの話もちょろっと。
あ、噂のハンジさん・・・最高でしたね!本物でした。あれは。
「ないよ!!!!!!!!!!!!!!」
って、突っ込んでくるハンジさん最高にハンジさん。
ハンジさんのハンジさん度、メーター振り切れるレベルでハンジさんでした。ハンジさぁああああああん!!!!!!!!!!!
キャラといえば、私が目当てにしてたのはクバル様なんですが・・・
あぁ~~クバル様かっこいいんじゃぁ~~・・・_( っ`ω、)っ
シキシマさんにちくっと探られそうになった感じの時のあの「反逆の噂があってね」とかいうあのはぐらかし方というか受け流し方といい・・・
「君は疲れてるんだ、もう休みなさい」とかいうあの言い方とか、あり方とか、もうもう・・・ 好きです!!!!!!大好き!!!!!!かっこいいよ、クバル様・・・あのクバル様の三歩うしろをついてまわる親衛隊になりたい・・・
あわよくばクバル様に囮にされたい・・・「君ならできるね」みたいなこと言われたい・・・心臓はクバル様に捧げております。うむ。かっこよかった。黒ロングコートたまらん、かっこいい。最高。グレートだぜ。
(※じつは公開前のポスターで見かけてからずっとクバル様クバル様言ってる勢※)
そして予想外の沼を感じたのがソウダさんでした。あれはだめだ、罪深い。うっかりオチそうになるダンディズム。
絶望に身を浸しすぎてるあのおじさまから溢れ出る負のオーラがいっそ素敵。そして、でも幸せになって欲しい人。きっと無理だけど。もう幸せは空の彼方にさきにいってしまってる人、たまらない… 廃人みたいなおじさまが、でも「生きてたのか!」って超絶笑顔になるのとかもうもう、泣いていいですか。
あれはちょっとフラグかなとも思いますけどね…もういいよ、許す。
何が言いたいかって?
キャラクターがうんぬんかんぬんという話はちょいちょい聞きましたが、もうあれですよ。ダンディズムに酔いしれました。幸せでした。